連翹(れんぎょう)・漢方医による生薬解説38
- 2019.01.06
- 生薬の種類

連翹はモクレン科の木です。『神農本草経』では下品として収載されています。
連翹は多くの公園に植えられ、春になると黄色い花を咲かせます。その連翹が漢方薬の連翹とは思えません。漢方薬では連翹の果実を使用しますが、公園の連翹は果実を作りません。それは遺伝的に同じ物ばかりが植えられているからです。連翹は自家受精ができないので、遺伝的に異なる株が結実には必要なのです。
第17改正日本薬局方には以下のように記載があります。
- レンギョウForsythia Fruit FORSYTHIAE FRUCTUS 連翹
本品はレンギョウForsythia suspensa Vahl (Oleaceae)の果実である.
連翹が処方名と関係する漢方エキス剤は荊芥連翹湯です。

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Author:新見正則 投稿一覧
1985年慶應義塾大学医学部 卒業 1998年英国オックスフォード大学医学部博士課程 移植免疫学にてDoctor of Philosophy (D-Phil) 取得 2002年帝京大学外科准教授 2013年ハーバード大学にてイグノーベル賞受賞。帝京大学医学部附属病院において国内で初めて保健診療のセカンドオピニオン外来(外科一般)を開設し、その普及に尽力してきたパイオニア。テレビや新聞などメディアでの紹介も多数。西洋医であるとともに漢方医でもあり、同科血管外科グループにおいて血管、漢方、未病、冷え症の各外来を担当。日常生活や食生活の改善指導、西洋薬・漢方薬の処方により、多くの患者の症状を改善してきた実績を持つ。