【生薬解説】延胡索(エンゴサク)について【中山今日子先生寄稿】

【生薬解説】延胡索(エンゴサク)について【中山今日子先生寄稿】

【延胡索の花】

生薬は、その花が美しいことが多いので、いつもどんな姿をしているのか写真などを探します。延胡索はその紫の花がとても気に入っている生薬の一つです。

本日朝、メールを開くと、Tsumura KAMPO Informationが届いていました。植物写真家のいがりまさし氏による連載「薬用植物のはなし」、の第10回目で延胡索についてです。写真がとても美しく、いつも時々サイトにお邪魔しています。山野草の可憐な力強さに癒されます。

エンゴサク。
基原植物とされるのは中国原産のエンゴサク。
東京都薬用植物園にていがり氏撮影。
オトメエンゴサク。
東アジアの広域に分布するとされていたCorydalis ambigua (エゾエンゴサク)が細分化され、本州のものはオトメエンゴサクと呼ばれるようになった。
岩手県安比高原にていがり氏撮影。

延胡索という生薬を最初に覚えたのは、大正漢方胃腸薬の勉強会でした。まだ、漢方が中国の医学だと思っていたころです。資料にこの紫の花があり、とても印象的でした。

この大正漢方胃腸薬は、安中散+芍薬甘草湯という処方です。1978年発売からドラッグストアではベストセラーの一つです。タイやマレーシアでも発売されています。また、現在は大正漢方胃腸薬にも様々なタイプが加わっていますので、是非ブランドサイトでご確認ください。

この時にもう一つ印象的だったのは、医療用漢方では、延胡索は安中散にしか使われていない生薬であるということです。その他一般用漢方製剤では、安中散加茯苓、芎帰調血飲第一加減、牛膝散、折衝飲、枳縮二陳湯、八味疝気方に配合されています。(一般用漢方製剤製造承認基準(厚生労働省医薬・生活精製局 平成29年4月1日

延胡索は、「3~5gを1日量として、せんじて飲む。とくに婦人科の腹痛、腰痛に用いる。月経困難症の疼痛には、芍薬、当帰、川芎などをせんじて飲む。」と記されています。(大塚敬節先生の漢方薬と民間薬百科)そして、安中散は胃腸薬のイメージが強いですが、延胡索に鎮痛効果があるので、「勿誤薬室方函口訣*」にも記載があるように婦人科関係の痛みにも有効なことがあります。

一度、安中散が処方されている患者さまに「胃痛ですか?」とお聞きして、怪訝な顔をされたことがありました。うっかり、処方元の診療科を見る前に、安中散を見て胃痛と言ってしまいました。その方は、生理痛で処方されていました。温めると痛みが和らぐと、腰にカイロを当てたりして工夫されていました。安中散には桂皮があるので温める作用もあります。

*勿誤薬室方函口訣は、漢方jpにご登録いただきますと、10週にわたり配信いたします。

是非、こちらからご登録ください。

松田邦夫先生 勉強会動画シリーズの内容

漢方実践臨床講座(総論〜各診療科目)10週、類聚方広義10週、勿誤薬室方函口訣10週、傷寒論10週、金匱要略10週、万病回春5週