黄柏(おうばく)・漢方医による生薬解説60
- 2019.01.06
- 生薬の種類

第17改正日本薬局方には以下のように記載があります。
- オウバク Phellodendron Bark PHELLODENDRI CORTEX 黄柏
本品はキハダPhellodendron amurense Ruprecht 又はPhellodendron chinense Schneider (Rutaceae)の周皮を除いた樹皮である.
本品は定量するとき,換算した生薬の乾燥物に対し,ベルベリン[ベルベリン塩化物(C20H18ClNO4:371.81)として]1.2%以上を含む
ミカン科のキハダの樹皮です。黄柏は胃腸薬として使用されており、日本でも古くから民間薬として利用されてきました。奈良県吉野地方に伝わる「陀羅尼助(だらにすけ)」は有名です。僧が陀羅尼経を唱えるときに、苦いキハダのエキスで眠気を冷ましていたことが名前の由来です。
黄柏が処方名と関係する漢方エキス剤は梔子柏皮湯です。

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Author:新見正則 投稿一覧
1985年慶應義塾大学医学部 卒業 1998年英国オックスフォード大学医学部博士課程 移植免疫学にてDoctor of Philosophy (D-Phil) 取得 2002年帝京大学外科准教授 2013年ハーバード大学にてイグノーベル賞受賞。帝京大学医学部附属病院において国内で初めて保健診療のセカンドオピニオン外来(外科一般)を開設し、その普及に尽力してきたパイオニア。テレビや新聞などメディアでの紹介も多数。西洋医であるとともに漢方医でもあり、同科血管外科グループにおいて血管、漢方、未病、冷え症の各外来を担当。日常生活や食生活の改善指導、西洋薬・漢方薬の処方により、多くの患者の症状を改善してきた実績を持つ。