黄連(おうれん)・漢方医による生薬解説12

黄連(おうれん)・漢方医による生薬解説12

黄連は山地に自生または栽培するキンポウゲ科の多年草であるオウレンの根茎です。黄連は石膏と並んで冷やすイメージの代表生薬です。イメージという意味は、僕がいくら黄連を飲んでも体は冷えません。ところが、頭に血が上っているような状態(和漢では気逆とも言います)が黄連含有漢方薬で楽になります。黄連含有漢方薬の代表は黄連解毒湯と思っています。頭が熱くなって鼻血が止まらない時も、黄連解毒湯は著効します。また、アトピー性皮膚炎で痒くて致し方ないときも黄連解毒湯で痒みが軽快することは多々あります。そんな冷やすイメージの生薬なのです。保険適用漢方エキス剤では黄連または石膏があれば冷やす、附子または生姜があれば温めるとオートマチックに考えても整合性は合いません。黄連湯と半夏瀉心湯は黄連と乾姜をともに含むので温めも冷やしもしない中間のイメージです。

黄連は日本の薬草園でも見ることが出来ます。2月の早春頃から可憐な白い花を咲かせる可愛い草です。この黄連は『神農本草経』では上品として収載されています。上品ということは害がなく、不老長寿に向いているといったイメージですが、味はとっても苦いですよ。

国産のものも昔から多く、産地により加賀黄連、越前黄連、丹波黄連や葉の形状によって菊葉黄連、芹葉黄連などに分類されます。奈良時代に中国産の黄連の代用品として、日本で栽培されたとも言われています。なんと江戸時代には日本産の黄連が中国に輸出されていたのです。

黄連が処方名と関係する漢方エキス剤は黄連湯、黄連解毒湯、三瀉心湯などです。

第17改正日本薬局方には以下のように記載されています。

 

  • オウレンCoptis Rhizome COPTIDIS RHIZOMA 黄連
    本品はオウレン Coptis japonica Makino,  Coptis chinensis Franchet, Coptis deltoidea C.Y. Cheng et Hsiao 又は Coptis teeta Wallich (Ranunculaceae)の根をほとんど除いた根茎である.
    本品は定量するとき,換算した生薬の乾燥物に対し,ベルベリン[ベルベリン塩化物(C20H18ClNO4:371.81)として]4.2%以上を含む.
    本品のうち,エキス剤又は浸剤・煎剤に限り用いるものについては,その旨を表示する.

 

006_OUREN
オウレン 画像提供:ツムラ