黄耆(おうぎ)・漢方医による生薬解説34

黄耆(おうぎ)・漢方医による生薬解説34

黄耆は『神農本草経』では上品として収載されています。黄耆はマメ科の多年草であるキバナオウギやナイモウオウギの根です。人参と組み合わせて使用することが多く、両方を含む処方を参耆剤といいます。人参の効果を高めています。僕は参耆剤をユンケル黄帝液のような漢方薬と称しています。保険適用漢方エキス剤では参耆剤は10種類あります。補中益気湯、十全大補湯、人参養栄湯、帰脾湯、加味帰脾湯、清暑益気湯、清心蓮子飲、半夏白朮天麻湯、大防風湯、当帰湯です。

第17改正日本薬局方には以下のように記載があります。

  • オウギ Astragalus Root ASTRAGALI RADIX 黄耆
    本品はキバナオウギAstragalus membranaceus Bunge 又はAstragalus mongholicus Bunge (Leguminosae)の根である.

黄耆にはいくつかの種類があります。それぞれ「綿黄耆」「紅耆(晋耆)」「土黄耆(木耆)」「和黄耆」などと称され、原植物が違っています。「綿黄耆」は現在黄耆の正品とされているもので、マメ科のキバナオウギ Astragalus membranaceus Bunge 又は ナイモウオウギ A.mongholicus Bunge の根とされます。

また黄耆の代用品として、「紅耆」はマメ科の Hedysarum polybotrys Hand.-Mazz.の根、「土黄耆」は中国安徽省や山西省に産し、やはりマメ科のムラサキウマゴヤシ Medicago sativa L.、シナガワハギ Melilotus suaveolens Ledeb.、コゴメハギ Melilotus albus Desr.などの根などがあります。また、「和黄耆」はわが国に野生するイワオウギ Hedysarum vicioides Turcz.の根で、かつてわが国で黄耆が品薄のときに代用されていました。しかし、日本薬局方がこれらを含んでいないので現在使用できません。

黄耆が処方名と関係する漢方エキス剤は黄耆建中湯、防已黄耆湯、桂枝加黄耆湯などがあります。

 

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キバナオウギ 画像提供:ツムラ