遠志(おんじ)・漢方医による生薬解説62
- 2019.01.07
- 生薬の種類

遠志はヒトヒメハギの根です。『神農本草経』では上品として収載されています。遠志は古来、安神益智、去痰、消腫の効能で使用され、わが国では第四改正日本薬局方に、同属生薬セネガの同効薬として初収載されました。
第17改正日本薬局方には以下のように記載されています
オンジPolygala Root POLYGALAE RADIX 遠志
本品はイトヒメハギPolygala tenuifolia Willdenow (Polygalaceae)の根又は根皮である.
最近は物忘れに有効なのではと期待されています。遠志は単実味でもOTCで販売されています。また遠志は保険適用漢方エキス剤では、帰脾湯、加味帰脾湯、人参養栄湯に含まれています。

-
前の記事
黄柏(おうばく)・漢方医による生薬解説60 2019.01.06
-
次の記事
山椒(さんしょう)・漢方医による生薬解説63 2019.01.08
Author:新見正則 投稿一覧
1985年慶應義塾大学医学部 卒業 1998年英国オックスフォード大学医学部博士課程 移植免疫学にてDoctor of Philosophy (D-Phil) 取得 2002年帝京大学外科准教授 2013年ハーバード大学にてイグノーベル賞受賞。帝京大学医学部附属病院において国内で初めて保健診療のセカンドオピニオン外来(外科一般)を開設し、その普及に尽力してきたパイオニア。テレビや新聞などメディアでの紹介も多数。西洋医であるとともに漢方医でもあり、同科血管外科グループにおいて血管、漢方、未病、冷え症の各外来を担当。日常生活や食生活の改善指導、西洋薬・漢方薬の処方により、多くの患者の症状を改善してきた実績を持つ。