木通(もくつう)・漢方医による生薬解説83

木通(もくつう)・漢方医による生薬解説83

木通は日本の野山に見られるアケビのつるです。木通は最初『神農本草経』では中品に収載され、「通草」の原名で記載されています。

木通の語源が「茎の両端が通じていて、端を口に含んで吹くともう一方から気が出る」ことに起因していると陶弘景が記しています。それは蔓性植物に広く共通する性質であるので、多くの異物同名品が生じることになりました。また、原名が通草であったので草本植物の異物同名品もあります。

通草の名の付いた異物同名品としてはキブシ科やマメ科植物もあり、木通の基源は混乱しているのです。つまり外国産の木通は基源が不確かなので、わが国ではもっぱら自国産の野生品を採集して使用しています。主な産地は徳島や香川などです。

木通を含む漢方薬は、五淋散、消風散、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、竜胆潟肝湯などです。

第17改正日本薬局方には以下のように記載されています。

  • モクツウ Akebia Stem AKEBIAE CAULIS 木通
    本品はアケビAkebia quinata Decaisne 又はミツバアケビAkebia trifoliata Koidzumi (Lardizabalaceae)のつる性の茎を,通例,横切したものである.
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アケビ 画像提供:ツムラ