木香(もっこう)・漢方医による生薬解説103

木香(もっこう)・漢方医による生薬解説103

木香はモッコウの根です。『神農本草経』には上品として収載されています。木香を含む漢方薬は帰脾湯、加味帰脾湯、女神散です。

第17改正日本薬局方には以下のように記載されています

  • モッコウ Saussurea Root SAUSSUREAE RADIX 木香
    本品はSaussurea lappa Clarke (Compositae)の根である.

ちなみに、木香の基原植物であるSaussurea lappa はインド北部のカシミール地方やネパールの山地に野生する植物で古くから薬用に用いられてきました。そして現在、絶滅のおそれの高い種として、ワシントン条約で指定されている貴重な植物です。ワシントン条約は正式名称を「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」といい、絶滅のおそれのある野生動植物の保護を目的として、1975年に発効され、日本は1980年に批准しました。規制対象種は約800種で、これらを三段階に分類して取引を規制しています。

 ●規制区分
  Ⅰ:絶滅のおそれの高い種で、商業取引を禁止
  Ⅱ:取引を規制しないと絶滅のおそれのある種
  Ⅲ:自主的な取引規制

 ワシントン条約で取引が規制されている動植物に関係する主な生薬には次のようなものがありますが、木香の原植物である Saussurea lappaは最も厳しい規制区分Ⅰに属しています。

●ワシントン条約で取引が規制されている動植物に関係する主な生薬
  熊胆、竜涎香、麝香、羚羊角、虎骨、海狗腎、阿膠、犀角、鹿茸、鹿鞭、土鼈甲、広東人参、木香、蘇鉄、大戟、巴戟天、続随子、アロエ、白キュウ、石斛、天麻など。

 

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モッコウ 画像提供:ツムラ