槐花(かいか)・漢方医による生薬解説105【おまけ】

槐花(かいか)・漢方医による生薬解説105【おまけ】

2018年10月に出張で中国西安を訪れました。秦の始皇帝の兵馬俑を訪れる途中に、楊貴妃が玄宗皇帝と過ごした華精宮を訪ねました。その庭の中央に大きな槐の木があり、「国槐」と記されていました。僕は勝手に中国の国の木と早合点しました。早速ネットで調べると、中国の国の木はまだ決まっていないようです。

槐の木の学名は、Sophora japonica です。華精宮にあった国槐にもしっかりと学名が記載されています。Japonicaが学名に含まれている木を国の木にはしないだろうと僕なりの推測です。

この槐(えんじゅ)の木の花が日本薬局方外生薬規格2015に載っています。日本薬局方には載せていないが、生薬として認知しようといった意味合いです。開花直前のつぼみを採取して日干して使用するようですが、槐花を含む名の知れた漢方薬はありません。

その日本薬局方外生薬規格2015には以下のように記載されています。

  • カイカ Sophora Japonica Flower  SOPHORAE FLOS  槐花
    本品はエンジュSophora japonica Linné (Leguminosae) のつぼみである.

面白いことは続きがあります。この槐の木に生えるキノコがあります。キノコは中国語では「耳」です。つまり槐耳(かいじ)がなんと肝臓がんに著効したのです。そして国家的プロジェクトとなり、中国では抗がん新薬として研究が進められ、なんと2018年一流英文誌GUTに大規模多施設共同研究での有効性を示す論文が採択されました。現状、唯一抗がん作用のエビデンスを持つ生薬となりました。