槐耳(カイジ)の抗がんメカニズムを解説

槐耳(カイジ)の抗がんメカニズムを解説

”槐耳(カイジ)に抗がん作用がある”という話を見聞きして、この記事をご覧になられている方が多いかと思います。

槐耳は槐(えんじゅ)の老木に生えるキノコです。その天然の槐耳はほぼ見られず、現在は菌体を培養してエキスを抽出しています。それが中国では抗がん新薬として認可され、本邦では食品として手に入ります。

槐耳の、大規模臨床試験で肝臓癌の再発防止に対する有用性が確認されました。そして、英国の超一流医学雑誌「GUT」に掲載されました。

参考:【論文解説】槐耳のランダム化比較試験で有意差が発現

槐耳はどのようなメカニズムで抗がん作用を誘導するのでしょうか。槐耳は天然物ですので生薬です。化学合成した抗がん剤とは異なり、たくさんの成分が含まれています。そしてたくさんのメカニズムが実験的には証明されています。この記事では、槐耳の抗がん作用について解説します。

アポトーシス(細胞死)を誘導し、がん細胞の増殖を抑制

槐耳エキスの添加でヒト乳がん細胞の増殖が抑制され、がん細胞がアポトーシス(細胞死)を呈していることが示されています。

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/j.1349-7006.2010.01680.x

血管新生を阻害し、がんの進行や転移を予防

槐耳エキスががん細胞の血管新生を抑制する報告があります。がんは増殖するために血管からの栄養補給が必須です。その血管の新生を抑制することはがんの進行防止や転移予防に繋がるのです。

https://www.spandidos-publications.com/or/28/4/1167?text=fulltext

免疫賦活効果を更新

槐耳エキスが免疫賦活(ふかつ)作用を有することが示されています。がん細胞の発生防止、進展防止、転移阻止には免疫の役割が重要ですので、免疫をよい方向に向かわせるということです。

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0144861712009149

マイクロRNAの増加を介してがん細胞の悪性化を抑制する

槐耳はマイクロRNAを介して癌の悪性度を制御しています。このマイクロRNAの増加、特にmiR-26b-5bをアップレギュレーションしていることが示されています。DNAの情報をRNAに転写して、そして細胞は増殖します。その過程に作用しているという報告です。

https://febs.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1016/j.febslet.2014.04.044

AEG-1 と EMTを不活化し、肝細胞がんの転移を抑制する

槐耳が、がんの浸潤や転移に作用するastrocyte elevated gene-1 (AEG-1) と epithelial-mesenchymal transition(EMT) の不活化を介して、肝細胞がんの転移を抑制しているという実験報告です。

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0141813013006430

AKT/GSK3beta/beta-Catenin Pathway を介してがんを抑制する

槐耳エキスがAKT/GSK3beta/beta-Catenin Pathway を介して卵巣がんを抑制するという実験報告です。

https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0063731

mTOR/K6K Pathway を抑制し、細胞死を誘導

槐耳エキスが乳がん細胞でmTOR/K6K Pathwayを介して細胞死を誘導しているという実験報告です。

https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0131771

槐耳は生薬です。生薬は化学合成された西洋薬と異なり純物ではありません。ですからいろいろな作用を要するのです。これらが多方面から抗がん作用に関与していると考えられます。生薬には多数のメカニズムが考えられる以上、もっとも大切なデータは臨床研究です。ですから今回超一流英文雑誌GUTに掲載された肝細胞がんに対する槐耳エキスの結果がもっとも西洋医を説得するには価値があります。現在同じような槐耳エキスの抗がん作用に対する大規模臨床研究が複数進行中です。