大黄(だいおう)・漢方医による生薬解説25

大黄(だいおう)・漢方医による生薬解説25

大黄は昔から貴重な生薬として、奈良の正倉院にも中国から渡来した大黄が保存されています。また、ロンドンの王立植物園であるキューガーデンにもシルクロード経由で運ばれたと思われる大黄が陳列されています。タデ科の多年草で、その根茎を使用します。

大黄は基本的には下剤ですが、下痢の時はそれを止めるように働きます。抗生物質のない時代は現代の抗生物質の代わりに使用していたようです。また大黄だけの漢方薬を将軍湯と称し、むかしは統合失調症のような重症の精神病にも使用していたようです。そして大黄には駆瘀血作用があるので、漢方薬で便秘を治療したら他の症状も治ったということを頻回に経験します。そんなときに治った症状は瘀血を解決して結果治ったのだと理解すればいいのです。

第17改正日本薬局方には以下のように記載があります。

  • ダイオウ Rhubarb RHEI RHIZOMA 大黄
    本品はRheum palmatum Linné, Rheum tanguticum Maximowicz,Rheum officinale Baillon,Rheum coreanum Nakai 又はそれらの種間雑種(Polygonaceae)の,通例,根茎である.本品は定量するとき,換算した生薬の乾燥物に対し,センノシドA(C42H38O20:862.74) 0.25%以上を含む.

大黄の基原植物は、Rheum palmatum が掌葉大黄、Rheum tanguticumが唐古特大黄、Rheum officinaleが薬用大黄、Rheum coreanumが朝鮮大黄とされています。また別の分類で錦紋大黄と馬蹄大黄があります。錦紋大黄は質の堅い、別名北大黄で、馬蹄大黄は軽質の大黄で、別名南大黄とも呼ばれます。日本にはまた戦前に輸入されたと思われる北海大黄があります。   

大黄が処方名と関係する漢方エキス剤は大黄甘草湯、大黄牡丹皮湯、三瀉心湯、桂枝加芍薬大黄湯などです。漢方エキス剤の約8分の1に大黄は含まれています。

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ダイオウ 画像提供:ツムラ