牡丹皮(ぼたんぴ)・漢方医による生薬解説35

牡丹皮(ぼたんぴ)・漢方医による生薬解説35

牡丹皮は観賞用の花で有名なボタンの根皮を用います。芍薬とよく似ていますが違いとしては芍薬が草に対して牡丹は樹木です。それゆえ、芍薬は冬に地上部が枯れますが、牡丹は冬でも地上部は枯れずに残ります。

牡丹と芍薬は薬用としてもよく比較されます。生薬の「牡丹皮」と「芍薬」は匂いも似ており、化学成分的にも共通するものがあって似た生薬ですが、牡丹の薬用部位は根の皮ですし、芍薬では根です。よって牡丹皮は「皮類生薬」であり、芍薬は「根類生薬」に分類されます。また、薬効的にも前者は駆瘀血薬の代表ですし、後者は鎮痙薬として有名です。

牡丹皮は『神農本草経』では中品に収載されています。原産地は中国西北部で、日本へは奈良時代か平安時代に薬用として伝えられました。花は単弁と重弁があり、また色も赤、白、紫、黄色など様々があり、非常に美しいため、江戸時代になると栽培が盛んに行われるようになり、栽培のための手引き書も数多く出版されました。

第17改正日本薬局方には以下のように記載があります。
ボタンピ Moutan Bark MOUTAN CORTEX 牡丹皮
本品はボタンPaeonia suffruticosa Andrews (Paeonia moutan Sims) (Paeoniaceae)の根皮である.本品はペオノール1.0%以上を含む.

牡丹皮が処方名と関係する漢方エキス剤は大黄牡丹皮湯などがあります。

 

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ボタン 画像提供:ツムラ