牡蛎(ぼれい)・漢方医による生薬解説49
- 2019.01.06
- 生薬の種類

牡蛎は食用カキの貝殻で、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムなどからなります。『神農本草経』では上品として収載されています。
第17改正日本薬局方には以下のように記載があります。
- ボレイOyster Shell OSTREAE TESTA 牡蛎
本品はカキOstrea gigas Thunberg (Ostreidae)の貝殻である.
カキは2枚貝ですが,牡蛎の品質については「左顧」すなわち左殻で,岩などに付着する側の厚くて大きい方が良質品であるとされてきました。「牡蛎」とは「雄の蛎」の意味だそうです。
牡蛎が処方名と関係する漢方エキス剤は桂枝加竜骨牡蛎湯、柴胡加竜骨牡蛎湯などがあります。
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Author:新見正則 投稿一覧
1985年慶應義塾大学医学部 卒業 1998年英国オックスフォード大学医学部博士課程 移植免疫学にてDoctor of Philosophy (D-Phil) 取得 2002年帝京大学外科准教授 2013年ハーバード大学にてイグノーベル賞受賞。帝京大学医学部附属病院において国内で初めて保健診療のセカンドオピニオン外来(外科一般)を開設し、その普及に尽力してきたパイオニア。テレビや新聞などメディアでの紹介も多数。西洋医であるとともに漢方医でもあり、同科血管外科グループにおいて血管、漢方、未病、冷え症の各外来を担当。日常生活や食生活の改善指導、西洋薬・漢方薬の処方により、多くの患者の症状を改善してきた実績を持つ。