麦門冬(ばくもんどう)・漢方医による生薬解説3

麦門冬(ばくもんどう)・漢方医による生薬解説3

麦門冬はユリ科の多年草でジャノヒゲと呼ばれ、その根を用います。東京のビルの谷間や路地でもジャノヒゲは生育しています。背の低い緑の長い葉の植物で、チアリーダーがもつボンボンを地面に置いたようなものです。それほど身近にある薬草です。

『神農本草経』の上品に収載されています。保険適用漢方エキス剤では麦門冬湯に含まれています。麦門冬湯は鎮咳効果が著明です。むしろ咳を鎮めるというよりも、喉のこびりついた痰による咳に対して、潤いをつけて痰を出やすくするといったイメージです。痰のきれをよくする薬です。麦門冬湯には過量に内服して不快な作用がでるような生薬は含まれていないのです。また、効果時間が短いことも多く、頻回に内服しても問題ありません。

第17改正日本薬局方には以下のように記載されています。

バクモンドウOphiopogon Root OPHIOPOGONIS RADIX 麦門冬
本品はジャノヒゲOphiopogon japonicus Ker-Gawler (Liliaceae)の根の膨大部である.

 

077_BAKUMONDOU
ジャノヒゲ 画像提供:ツムラ