麦芽(ばくが)・漢方医による生薬解説99

麦芽(ばくが)・漢方医による生薬解説99

麦芽とはモルトで、イネ科のオオムギを発芽させたものです。オオムギの実(穎果)を収穫後,水に浸して発芽させたものを麦芽といいます。麦芽がでんぷんを分解する性質を生かし,もち米に麦芽を加え水飴が作られていました。この水飴を乾燥させたものが大建中湯などに配剤されるコウイ(膠飴)です。麦芽を含む漢方薬は半夏白朮天麻湯です。

第17改正日本薬局方には以下のように記載されています

  • バクガ Malt FRUCTUS HORDEI GERMINATUS 麦芽
    本品はオオムギ Hordeum vulgare Linné (Gramineae)の成熟したえい果を発芽させて乾燥したものである.

ちなみに麦芽(モルト)利用したのがビールです。ビールは酵素を生かしたベースモルトと色風味付けのためのスペシャリティーモルトの2種類の麦芽を混ぜ,これらを粉砕して50℃程度に保温すると,アミラーゼの作用によりデンプンが分解され麦芽糖などを多く含む麦汁ができます。この麦汁にビール酵母を加え発酵することで,エタノール,すなわちアルコールが作られ,ビールになるのです。一方,日本酒はコウジカビによって米のでんぷんを分解して醸造されます。

 

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オオムギ 画像提供:ツムラ