新薬ゾフルーザの耐性ウイルス増加!抗インフルエンザ薬は何を使えばいいの?

新薬ゾフルーザの耐性ウイルス増加!抗インフルエンザ薬は何を使えばいいの?

昨年3月に発売され、一気に人気となった抗インフルエンザ薬・ゾフルーザ。しかし、ゾフルーザに耐性を持つウイルスが多く検出されたというニュースが報道されています。

「ゾフルーザ効かない」ウイルス 全国で警報レベルーFNN PRIME

今感染の疑いがある場合、どのようにしたらいいのか。何に気をつけるべきか、西洋医、漢方医、そしてサイエンティストである私が解説します。

これまでの抗インフルエンザ薬

日本で使用できるインフルエンザウイルスに直接作用する薬(抗インフルエンザ薬)は、リレンザ、タミフル、ラピアクタ、イナビルでした。

ラピアクタは点滴です。点滴をするには静脈に針を刺さなければなりません。1回の投与ですが、針を刺されることは嫌ですし、刺す手間も面倒なのであまり使用されません。

タミフルは内服薬です。内服薬とは口から飲む薬です。しかし、1日2回で5日間飲み続ける必要があります。

リレンザは吸入薬です。吸入薬とは特殊な器械で口から吸い込む必要があります。吸入器は薬と一緒に梱包されています。そして吸入器の金額も薬代の中に含まれます。しかし、1日2回で5日間吸う必要があります。専用の吸入器で吸うのは面倒ですね。

イナビルも吸入薬です。こちらもリレンザと同様、専用の吸入器で口から吸い込む必要があります。吸入器は薬と一緒に梱包されています。そして吸入器の金額も薬代の中に含まれます。リレンザとは異なり、1回の吸入で終了です。ですから、簡便で多くの医師に好まれていました。

2015年から2016年シーズンでの推定使用患者数は、第1位がイナビルで612万人、第2位がタミフルで377万人、第3位がリレンザで270万人、そして第4位がラピアクタで32万人でした。https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/000377869.pdf

何と言っても1回の投与であるイナビルがもっとも好まれ、そして次に唯一の内服薬であるタミフルが続きます。そして10回吸入する必要があるリレンザで、断トツの最下位が点滴を必要とするラピアクタでした。予想通りの結果です。

1回吸入のイナビルが612万人で、10回内服が必要なタミフルが377万人と、10回の吸入が必要なリレンザが270万人と、タミフルとリレンザの健闘が目立ちます。ひとつの理由は、イナビルが欧米での上市に失敗しており、イナビルは日本でしか使用されていないのです。勿論厚生労働省が認可したので、日本人には有効と思われますが、そんな事情を知っている勉強好きな先生からは嫌われる可能性が高いのです。ちなみに、他の3剤、タミフル、リレンザ、ラピアクタは海外でも使用されています。日本でしか使用されていない薬剤が、1回の吸入という簡便性から、日本では第1位に君臨しているのです。

新薬ゾフルーザとは

さて、昨年3月に発売されたゾフルーザが大人気です。発売後2週間で40万人に処方されました。理由は簡単です。今まで使用された薬剤のいいとこ取りです。タミフルのように内服で、イナビルやラピアクタのように1回投与です。そして、今までの薬剤はインフルエンザウイルスが外に出るのを妨げる仕組みでしたが、ゾフルーザは増殖自体を抑えるのです。

ゾフルーザの投与を否定する理由はありません。敢えて上げると、ゾフルーザは耐性が出来やすいのです。つまりゾフルーザによる抗インフルエンザ効果をくぐり抜けたウイルスが、ゾフルーザにはびくともしない力を備えるということです。ですからゾフルーザの濫用はゾフルーザに耐性をもったインフルエンザウイルスの蔓延に繋がりかねないという懸念です。しかし耐性は他の抗インフルエンザ薬でも生じます。その頻度が高いという理由です。

12歳以上で9.7%、12歳未満だと23.4%に耐性ウイルスが検出されています。ちなみに、タミフルは2013年に4.1%、2009年は1%という数字です。

(出典:平成28年度新型インフルエンザの診療と対策に関する研修)

これは医療サイドが考慮すべきことで、患者さんになったときには、以上の点を考慮して、主治医と相談して抗インフルエンザ薬を選んで下さい。またどの抗インフルエンザ薬も発症後48時間以降では効果がありません。

私なら、家族に、患者さんに、こう処方します

そして漢方のお話しです。わが家はまだ一度も抗インフルエンザ薬のお世話になっていません。インフルエンザの検査で陽性になったこともありません。家族のうち誰かは、毎年発熱します。子供は一年に数回以上発熱します。しかし、インフルエンザっぽいと思われるときは、麻黄湯(まおうとう)を直ぐに内服しています。そして翌日は元気になるのです。

参考:インフルエンザワクチンは必要?不要?【西洋医×漢方医のコラム】

インフルエンザの疑いがある時、つまり高熱、関節痛などがちょっとでも疑われれば、すぐに麻黄湯を飲みます。それで難を逃れています。そんな麻黄湯の効果もむなしく、翌日に更なる高熱、増強する関節痛となれば、もちろん抗インフルエンザ薬を使用します。その時、私は使用経験が豊富で耐性菌の出現が少ないタミフルを選択する予定です。患者さんにもそのように処方します。