漢方薬を飲むベストタイミングはいつ? 食後ではダメなんですか?
- 2019.03.30
- コラム

ご質問を頂戴しました。
Q. 漢方薬は食間に飲むよう指導されることが多いですが、どういう理由で食間に飲む必要があるのでしょうか。よく飲む漢方薬があるのですが、食間服用となってはいるものの、なかなか食間に飲む機会がないため、ついつい食後すぐに飲んでしまいます。
A. あくまでも建前として食前ということになっています。実はいつ飲んでもいいですよ。薬の説明書には食前または食間とあるので、薬剤師の先生はそれを逸脱して説明できないのです。飲むタイミングが上手くつかめななくて飲み忘れてしまうなどお困りの時は、ぜひ医師や薬剤師の先生にご相談下さい。
建前上なぜ空腹時かというと、漢方薬を構成する生薬には食べ物と同じものもあります。
山薬(サンヤク)はヤマイモ、陳皮(チンピ)はミカンの皮、山椒(サンショウ)はサンショ、生姜(ショウキョウ)はショウガ などです。つまり食事と一緒にとると、漢方薬の配合比が変わり、新しい生薬が追加になってしまう可能性があるからです。
中医学では敢えて食後という指示もあります。建前と思って、和漢(日本の漢方)では、できれば食前、忘れたら食後でも問題ありません。
もう一つ。薬を(西洋薬も含めて)なぜお茶で飲んではいけないのでしょうか? それは昔のはなし。今は、お茶と一緒に飲んで良いですよ。特別な時は薬剤師の先生が服薬指導で教えてくれます。通常問題なし。漢方薬もお茶と一緒でいいです。またお酒と一緒でも実はいいのです。酒服と言って、敢えてお酒と一緒に飲めという漢方も実はあるのです。

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Author:新見正則 投稿一覧
1985年慶應義塾大学医学部 卒業 1998年英国オックスフォード大学医学部博士課程 移植免疫学にてDoctor of Philosophy (D-Phil) 取得 2002年帝京大学外科准教授 2013年ハーバード大学にてイグノーベル賞受賞。帝京大学医学部附属病院において国内で初めて保健診療のセカンドオピニオン外来(外科一般)を開設し、その普及に尽力してきたパイオニア。テレビや新聞などメディアでの紹介も多数。西洋医であるとともに漢方医でもあり、同科血管外科グループにおいて血管、漢方、未病、冷え症の各外来を担当。日常生活や食生活の改善指導、西洋薬・漢方薬の処方により、多くの患者の症状を改善してきた実績を持つ。