漢方医の工場見学記〜ウチダ和漢薬・新潟工場〜

漢方医の工場見学記〜ウチダ和漢薬・新潟工場〜

僕の大好きな漢方薬であるウチダ八味丸の製造工場の見学のために、ウチダ和漢薬新潟工場にやってきました。北陸新幹線・上越妙高駅から車で約40分のところにあります。

株式会社ウチダ和漢薬

八味丸が僕のお気に入りなのは、丸剤だからです。八味丸の別名は、八味地黄丸(はちみじおうがん)です。多くのメーカーの八味地黄丸は丸剤ではないのです。なぜなら、八味地黄丸の構成生薬を煎じて、煎じ液をエキスにして、賦形剤(ふけいざい)であるパウダーに付けて、そして販売しています。丸の使用量を煎じることを「料」といいます。ですから、多くの医療用医薬品、一般用医薬品の八味地黄丸は、実は八味地黄丸料なんです。

漢方は生薬の足し算です。そして生薬は多くが植物由来です。八味地黄丸の構成生薬、地黄(じおう)、山茱萸(さんしゅゆ)、山薬(さんやく)、茯苓(ぶくりょう)、沢瀉(たくしゃ)、牡丹皮(ぼたんぴ)、桂皮(けいひ)、附子(ぶし)はすべて植物です。植物であれば、産地や収穫年によって、内容が異なるのです。味が異なるイメージです。同じ種のブドウから作ったワインでも、産地と収穫年で味が異なることと同じです。ですから、八味地黄丸料でも製造メーカーによって、実は効果が異なる可能性があります。

ましてや、八味地黄丸と八味地黄丸料はまったく別の効果かもしれません。イメージはブレンド紅茶を飲むのと、ブレンドされた紅茶の葉っぱをそのまま内服する違いです。直感として、当然異なりそうですよね。そして患者さんの多くが、八味地黄丸料よりも八味地黄丸がいいと答えるので、僕はそう思っています。僕が使う八味地黄丸は、ウチダ八味丸です。その工場を見たいので、はるばる上越妙高に来ました。

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新潟工場では1万坪に約70人の職員が働いています。まずは会議室で説明をしていただきました。八味丸は3つの行程で製造されます。製粉行程、製丸行程、そして充填/包装工程です。製粉工程は原料選別、製粉工程のふたつです。製丸工程は錬合工程、(狭義の)製丸工程、一次乾燥、艶出工程、二次乾燥、そして選別工程です。充填/包装工程は充填と包装で、そして出荷です。

最初は白い見学着に着替えて、まず1次エリアに入れて頂き、その後頭から足まで覆う青い見学着に着替えて2次エリアまで入れて頂きました。有効成分を確認する品質チェック、そして農薬などもチェック、重さのチェックなどもしっかり行われています。

工場見学の後は、ウチダ和漢薬の上越物流管理センターの見学です。たくさんの医療用医薬品(病院やクリニックで使用されるもの)、一般用医薬品(OTCとして薬局で売られているもの)、または健康食品などの物流管理センターです。漢方や生薬好きの僕には実際にたくさんの製品や生薬の実物が拝見できて最高のひとときでした。

効能・効果が書かれていないものは食品です。効能・効果が書かれているものは医薬品です。効能効果が書かれていて、リスク表示(要指導医薬品、第一類医薬品、第二類医薬品、第三類医薬品)があれば、一般用医薬品で、リスク表示がないものは医療用医薬品です。つまり医療用医薬品は効能・効果の記載があって、実は○○医薬品という記載がないのです。おもしろいでしょ。こんなことも実際に箱を見て発見したのです。

そして会議室で、滅多に拝見できないものを見せて頂きました。湯本求真先生の蔵書です。僕の漢方の師匠は松田邦夫先生で、松田邦夫先生の師匠が大塚敬節先生、そして大塚敬節先生の師匠が湯本求真先生です。

そんな楽しいウチダ和漢薬の上越工場の見学でした。