松田邦夫先生から学ぶ漢方 No.11【中山今日子先生寄稿】

松田邦夫先生から学ぶ漢方 No.11【中山今日子先生寄稿】

タミフルと麻黄湯は併用する

インフルエンザの時は、迅速診断を行って、タミフルなど抗ウイルス薬の処方が第一選択です。漢方では、麻黄湯が処方されるときが多いです。麻黄湯は体の方に働いて、発汗・解熱を図るので、ウイルスに直接作用するタミフルとは作用基点が異なります。松田邦夫先生は、この両方を使用します。(漢方臨床講座2でもお話ししています。)

2008年頃、漢方専門医の先生から、タミフルと麻黄湯の処方を受けた時は、インフルエンザの薬が2つ?と少し驚いたのを覚えています。やはり作用基点が違うからと説明され、その後、松田邦夫先生の説明も聞き、納得しました。迅速キットで陰性だったけど、心配だから麻黄湯を処方していただいたとの患者さまもいらっしゃいます。いずれ、C O V I D―19についてもどの様にお考えか教えていただける機会があったらいいなと思っています。

麦門冬湯

これは、研修の前などたくさん話をする際に、よく飲む処方ですが、気温変化などで、急にむせるように咳き込む例には、麦門冬湯がよく聞きます。気道過敏症には麦門冬湯です。そして、初期というより、後期というか、熱などは取れたけれど咳だけ残るなんていうときにもよく効きます。とてもよく使われます。「咳き込み出すと続いて止まらず、吐きそうになる」というのが特徴です。

咳がなかなか取れないと、咳止めのお薬などが書かれた処方箋を何度か持ってこられた患者さまに、他に試せるお薬はもう思いつかないと先生がおっしゃったというので、「漢方薬で麦門冬湯というお薬があるので、よかったら試してみませんか。処方箋がなくても手に入りますよ」とお伝えしたことがあります。

患者さまは大体二分されます。医師には内緒にして自分でいろいろ試す患者さま。医師と相談した上で、どうするか考える患者さま。このかたは、先生に次回相談してみるとおしゃって、次の時、麦門冬湯も処方された処方箋を持ってきました。すぐに、とてもよく効いたそうで、お電話をいただいたことを覚えています。勿論、それから、患者さまも先生も漢方を使うようになりました。

麦門冬湯と言えば、苦い経験があります。歯医者さんから処方されていたのですが、薬剤師が、「歯医者さんだから、立効散(効能効果:抜歯後の頭痛、歯痛)じゃないのか?」と思い、「お薬はこれでよろしいでしょうか?」と問い合わせしてしまったのです。実際、患者さまは抜歯もしていましたので。シェーングレン症候群で喉が乾く人に使うと有効という報告があるので、使っていたのでは無いのかと薬剤師に聞いてみると、やはりそうでした。

麦門冬湯は、潤いをつける薬とよく新見正則先生もおっしゃっているように、ツムラの茶色い手帳にも<参考:証に関わる情報>として、咽喉の乾燥感や違和感のある場合ということで、口腔内の乾燥を和らげてくれます。漢方を処方する医師の思いはまちまちで、患者さまに頼まれたから、漢方的なみたてや勉強をしているまで、とても幅が広いです。処方箋を受ける側として、好き嫌いではなく、ある程度学ばなくてはと思った経験です。

新見正則先生も、いつも講演会の前には麦門冬湯を飲んでいます。動画でも、麦門冬湯を飲んでいるシーンが時々見られます。そんな新見正則先生の症例集、参考になります。

【症例集】麦門冬湯で音大の声楽科に合格?

【症例集】麦門冬湯と麻杏甘石湯の違い・飲み比べ・併用【自験例】

声がれを治すには・講演や歌の前にも効果的な漢方薬を医師が紹介

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