松田邦夫先生から学ぶ漢方 No.6【中山今日子先生寄稿】

松田邦夫先生から学ぶ漢方 No.6【中山今日子先生寄稿】

甘草について

甘草は、偽アルドステロン症―低カリウム血症を起こすことで知られていますが、漢方薬ばかりに原因を求めてもいけないようです。「日本に中国から輸入される甘草の使い道の9割は食品用です。お醤油、甘味料によく使われています。我々は、相当量の甘草を食品からとっていることを考える必要があります。」と、松田邦夫先生から教えていただきました。

処方が重なっているときには、処方監査の際には甘草の1日量を確認します。

松田邦夫先生ご指摘のように、甘草は食品添加物の甘味料として使用され、主成分はグリチルリチン酸です。甘さは砂糖の約200倍で、塩味を和らげる効果や旨味を出し効果があります。厚生労働省が行った平成27年度甘味料マーケットバスケット※調査結果では、食品添加物(グリチルリチン酸二ナトリウム及び甘草抽出物)由来の総グリチルリチン酸の1日摂取量は0.368mg/人/日で、安全性に問題がないことが確認されています。が、食品の摂り方は個人差が大きいため、食品からも日常的に甘草を摂取していて、そこに漢方薬としての甘草が加わると考えた方がいいかもしれません。

※マーケットバスケット方式:スーパー等で売られている食品を購入し、その中に含まれている食品添加物量を分析して測り、その結果に国民栄養調査に基づく食品の喫食量を乗じて摂取量を求める方法です。

漢方の副作用について

漢方も副作用があるということは、今は当たり前ですが、私が薬剤師になった頃(もう35年以上経ってしまいましたが…)は、漢方薬は副作用がないので服用したいと思っている人が多かったように思いますし、私も副作用はほとんどないと思っていたように思います。

松田邦夫先生も、漢方実践臨床講座で昔は漢方には副作用はないと思われていたとお話をされています。そして、昔は、一部の必要な人に短期間だけ使っていたけれど、今は、多数の人に長期に使われるようになったから副作用も出るようになったのではないかとおっしゃっています。飲み始めに副作用が出ることがあるので、特に体の弱い虚証の方や重篤な合併症のある方は特に注意が必要になります。そして、漢方薬は漢方の考え方によって用いられるべきではないかとのお考えが述べられています。