松田邦夫先生から学ぶ漢方 No.5【中山今日子先生寄稿】

松田邦夫先生から学ぶ漢方 No.5【中山今日子先生寄稿】

麻黄を含む漢方薬について

漢方処方で一番有名なのは葛根湯だと思います。名前に「麻」という文字が入っている場合は、麻黄が入っていると分かるのですが、この「麻」という文字が入っていない漢方処方があります。葛根湯、葛根湯加川芎辛夷、小青竜湯、五虎湯、神秘湯、越婢加朮湯などです。

麻黄は、効き目が早いのですぐに効きますが、少し注意が必要です。「麻黄はエフェドリンまたはその誘導体を含んでいるので、交感神経興奮様の作用があります。胃腸が弱いいわゆる虚証の人には向きません。またお年寄りには向きません。高齢者で夕方お茶を飲むと眠れなくなるような人には麻黄剤の適応ではありません。」と、漢方実践臨床講座1でお話をされています。私は、少しご高齢の方には、「夕方にお茶を召し上がると眠れなくなることはございませんか?」と伺うようにしています。特に虚血性心疾患がある方も注意が必要です。

麻黄は少し注意が必要な生薬になりますので、自分が使う処方に麻黄が入っているか意識する必要があります。一般用医薬品の場合は、外箱か瓶、また、1包ごとに生薬構成が印刷されています。

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写真は、ツムラ漢方内服液葛根湯 30ml×3本の外箱横の写真です。生薬構成は外箱の横の側面に記載されていることが多いようです。

大黄を含む処方について

麻黄と同じく少し注意したい処方に大王があります。『大黄は上手に使えばとてもいい生薬ですが、食物性の下剤で下痢をさせることがあります。下痢をすると具合の悪くなる虚証の人には注意したほうがいいですね』と大黄を処方する際は、解説してくださいます。

そういえば、大黄が入っている大黄甘草湯を飲んでもかえって便秘になると言って、コーラックⅡを服用しているという患者さまがいらっしゃいました。

松田邦夫先生の<ファーストチョイスの漢方薬>にこの理由が記載されています。大王の下剤としての成分はセンノサイドであり、実施に下剤として働くのは腸内細菌による代謝産物であるが、腸内細菌叢の状態によってはセンドサイドを分解できず、かえってダイオウに含まれるタンニンの止痢作用のために便秘するからだそうです。

食生活をみなおし、腸内細菌叢を改善する必要があります。ちなみに、このコーラックⅡは腸溶錠になっていますので、食後すぐに服用したり牛乳で飲んだりすると、胃の中がアルカリ性になり胃で溶けてしまいます。腹痛の原因になりますので注意が必要です。

便秘を改善するには食生活を見直すことも重要ですが、お薬の効果を高めるためにも食事には注意が必要です。

新見正則先生の麻黄と大黄に関する記事もご紹介します。

心下振水音で麻黄を回避 小青竜湯ではなく苓甘姜味辛夏仁湯

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