深爪の弊害は思ったより深刻・防ぐ方法は「真っ直ぐ切る!」

深爪の弊害は思ったより深刻・防ぐ方法は「真っ直ぐ切る!」

足の爪や手の爪は深爪しないように、真っ直ぐに切るのです。爪の先端が山型ではなく、一直線に近く切るという意味です。
「夜爪を切ると親の死に目に会えない」とも言われていました。僕の理解は、夜爪を切ると、深爪をして、そこからばい菌が入って、命に関わる病気になる、それにより親よりも早く死ぬかもしれないから、親の死に目に会えない というストーリーだと思っています。

深爪の傷からばい菌が入ってしまう病気を瘭疽(ひょうそ)といいます。この場合のばい菌は細菌です。細菌感染には抗生物質が著効するので、現代では瘭疽による細菌感染はほぼ命に関わる病気ではなくなりました。

最初に発見された抗生物質はペニシリンです。ペニシリンは1928年フレミングにより発見されました。ペニシリン発見のストーリーは偶然から大発見が見つかったことでも有名です。そんな偶然との遭遇を最近はセレンディピティと称しています。彼の散乱している実験室に黄色ブドウ球菌が一面に生えているシャーレがありました。それらを廃棄する前に、彼は黄色ブドウ球菌が一面に生えている場所の一部が透明であることに気がつきました。カビの周囲だけが透明だったのです。

そこで彼はカビの培養をし、その培養液を濾過して、細菌の発育を阻止する物質を見つけました。それをペニシリンと命名したのです。その後ペニシリンはフローリングとチェーンにより効果的な製造方法が開発され、第2次世界大戦時には軍用し使用され、1945年頃から民間用に使用されました。そんな功績でフレミング、フローリング、そしてチェーンは1945年にノーベル賞を受賞しました。

そんなペニシリンが発見される前は、細菌感染は命に関わる病気だったのです。ですから夜の爪切りは厳禁とされたのです。漢方薬はペニシリンの発見前から存在します。細菌感染を伴う乳腺炎の時に、膿を出す(排膿)ために葛根湯は有効でした。ペニシリン登場前にも細菌感染は日常に見られる病気でした。そんな時には柴胡を含んだ漢方薬が頻用されました。皮膚病変では十味敗毒湯が度々使用されたのです。

さて、爪を真っ直ぐに切るという方法を最初に紹介しました。特に足の親指では是非これを励行して下さい。足の親指の爪を山型に切ると、両側の爪の角が皮膚に食い込み、そしてそこから細菌感染を発症して、瘭疽になります。そんな時には直ぐに医者にいって抗生物質をもらって下さい。そんな深爪を繰り返していると巻き爪になるのです。巻き爪の治療は、昔は爪を縦に深く切除することが一般的でした。

最近は巻き爪を、上手に巻かないように平らにする治療が一般的です。ワイヤーを使ったりクリップを使ったりします。ともかく、深爪をしないことが大切なのです。爪は真っ直ぐに切りましょう。また爪やすりを使うこともお勧めします。