モダン・カンポウの規範

モダン・カンポウの規範

はじめに

モダン・カンポウは西洋医が、西洋医学で治らない、もっと良くなりたい、西洋医学では病気でないと言われている人たちに、保険適用漢方薬で対応する作戦です。そして処方選択に漢方理論も古典の読破も不要としています。つまり西洋医向けのコンテンツです。

今回の鉄則集では、モダン・カンポウの立ち位置や使用法、コツ、ヒントなどを並べています。拙著『フローチャート漢方薬治療』をわかりやすく違う角度から解説したものです。そして少々ステップアップ用になっています。

思えば約40年前に、大学受験の勉強をしているころにたくさんの書籍にお世話になりました。それらの書籍の中には、同じ内容でありながら、いろいろな側面からのわかりやすい解説がありました。そんな本に助けられて勉強がはかどった記憶が急によみがえりました。同じことがすでに書いてあるから必要ないと思っていましたが、それは僕の勘違いでした。

医師の方々に、わかりやすくモダン・カンポウを理解していくためであれば、こんな鉄則集も必要だろうと思い直したのです。既刊の本当に明日から使える漢方薬シリーズの3冊、『本当に明日から使える漢方薬 7時間速習コース』、『フローチャート漢方薬治療』、『簡単モダン・カンポウ』を読んでからこの鉄則集を使用した方が、理解しやすいと思います。しかしこの鉄則集から読んで頂いても結構です。

このコンテンツのベースは松田邦夫先生に陪席時に教えて頂いている知恵と松田邦夫先生の講義です。それに僕なりの経験と視点を加えています。ですからコンテンツの根源は松田先生にありますが、文責はすべて僕にあります。

皆様がモダン・カンポウを勉強する上での頭の整理と少々のステップアップのお役に立てば幸いです。そして、モダン・カンポウの立ち位置からカンポウの世界に入り、是非、漢方の神髄に少しでも近づいていただければ本望です。

西洋医が西洋医学の補完医療として漢方エキス剤を使用して対処する

日本では医師免許を持っていれば漢方薬を処方出来ます。中国や韓国では漢方は大学教育からまったく別です。折角、漢方を処方出来るのですから、現代西洋医学で治らない症状や訴えに対して、保険適応である漢方エキス剤で対処しようというのがモダン・カンポウの基本的立ち位置です。ですから、漢方の専門医である必要はありません。目の前の患者さんの困っている訴えや症状を少しでも楽にしてあげたいと思っている医師のためのカンポウです。

西洋医学的処方と同じ気持で接するとたちまち嫌気がさす

カンポウの素晴らしさは現代西洋医学とは違う視点から体全体を治す知恵です。現代西洋医学はサイエンティフックで論理的で格好いい治療方法ですが、一方で体全体を診て元気にすることは不得意です。カンポウに西洋医学と同じような科学的根拠を求め、高打率を期待して処方していたのでは、たちまちカンポウに嫌気がさします。現代西洋医学にも限界があることを納得し、カンポウの短所と長所を理解して、カンポウを使い始めましょう。