白血病について【西洋医×漢方医のコラム】

白血病について【西洋医×漢方医のコラム】

白血病は血液のがん(※)です。

※癌と書かないのは、一般的には「癌」は上皮性の悪性腫瘍に使用するためです。上皮性とは僕達が数ミリぐらいの小人になって、入り込める場所のことです。口から肛門、鼻から肺、肝臓や膵臓も消化酵素を出すので、小人は進入可能です。尿道から、膀胱、そして腎臓まで辿れます。膣から子宮、卵巣も辿れます。これらの臓器の悪性腫瘍は「癌」です。一方で脳や血液は小人が入り込めません。そこで脳腫瘍とか骨肉腫とか白血病と呼ばれるのです。

人は精子と卵子からできます。精子と卵子はすべての細胞になる可能性を備えています。マルチポテンシャルな細胞なのです。そして血液も血液幹細胞と呼ばれるマルチポテンシャルな細胞から作られます。赤血球も白血病も血小板もそこから生まれます。そんな血液幹細胞から赤血球、白血球、血小板に分化する過程のどこかが異常増殖すると白血病になります。

ザックリ言うと、急激に発症し進行するものを急性白血病、ゆっくりと進行するものを慢性白血病といいます。また異常増殖の部位でリンパ性骨髄性かを分類します。

白血病の症状と原因

血液は栄養、酸素を運び、感染防御の作用もあり、止血の機能を担っています。ですから、白血病では疲労感、息切れ、感染症を繰り返す、止血困難、食欲不振、高熱、骨や関節の痛み、などなどいろいろな症状が出現します。

原因は不明なことが多く、まだまだ発生機序は完璧には解明されていません。ウイルス感染、放射線の暴露、化学物質、先天性遺伝子異常なども原因になります。

白血病の検査と治療

骨髄の検査は必須です。骨髄という骨の中にある造血細胞の様子が知りたいのです。胸の真中の骨である「胸骨」や腰にある「腸骨」に少々太い針を刺して、骨髄を採取することが普通です。

治療は様々あります。白血病の治療は進歩しており、白血病を患っても、元気に社会復帰できることも少なくありません。よく耳にする骨髄バンクは白血病の治療のためです。自分の細胞を抗がん剤や放射線ですべて消滅させ、新しい他の人の細胞で置き換えるのです。こんな骨髄移植の治療ができるのです。本当に西洋医学の進歩は素晴らしいのです。

漢方は白血病の根本治療には無力です。しかし、併用すると喜ばれます。元気が出る、気力が出る、体力が快復するからです。僕は白血病の患者さんには加味帰脾湯(かみきひとう)を処方することが多いです。