がん患者100万人時代。がんと向き合うための漢方薬とは
- 2019.01.17
- コラム

本日の新聞の記事です。
厚生労働省は17日付で、2016年に全国で新たにがんと診断された患者は延べ約99万5千人と発表した。全国の医療機関に情報提供を義務づける全国がん登録に基づく、初の全数調査。
がん患者数が約100万人に到達です。近年の西洋医学の進歩でがんは不治の病ではなくなりました。そして早期発見も進歩し、緩和医療も進歩し、また薬剤も進歩しています。免疫チェックポイント阻害薬も登場し、その開発者の本庶先生は昨年ノーベル賞に輝きました。
西洋医学の進歩で乳幼児死亡率が大幅に改善し、抗生物質の登場で結核は不治の病ではなくなりました。100年前(1921〜1925年の調査)の平均寿命は男性が42.02歳、女性が43,20歳でしたが、2017年の平均寿命は男性が81.09歳、女性が87.26歳となりました。
平均寿命が延びると、がんと生活習慣病と認知症が僕達の周りに増加します。加齢とともに増える病気が当然に目立つようになるからです。がんは外科治療、薬物治療、放射線治療がエビデンスのある3大治療です。エビデンスがある治療は当然に最優先に行われるべきです。しかし、エビデンスがまだ明らかでない治療も併用すべきと思っています。エビデンスが明らかではない治療で大切なことは、副作用がほぼなく、費用が安いことです。そうでないと、「ニセ医療」との差異が不明瞭です。「ニセ医療」はほぼすべてでお金儲けが目的です。すると収益性が乏しいほど安い物を「ニセ医療」は相手にしません。ですから、費用が安いものに「ニセ医療」はほぼほぼ存在しないのです。
僕のお勧めは
- バランスの良い食事(炭水化物の過食を控える)
- 有酸素運動
- 体を冷やさない
- 保険適用漢方エキス剤の使用
- そして希望をもつ
の5点です。保険適用漢方エキス剤は癌に対するエビデンスはありませんが、費用が極めて安く、がんと漢方を両方得意とする専門家がよさそうなイメージを持っています。ですから副作用も少ないのでお勧めするのです。
将来エビデンスを伴う治療が登場すれば、どんどんとそれらを併用すべきと思っています。
がんに対する漢方でのお勧めは、参耆剤+八味丸類+附子剤 です。
参耆剤は保険適用漢方エキス剤には10種類あります。補中益気湯、十全大補湯、人参養栄湯、帰脾湯、加味帰脾湯、清心蓮子飲、半夏白朮天麻湯、清暑益気湯、大防風場、当帰湯 です。がんで使用される頻度が高い参耆剤は、補中益気湯、十全大補湯、人参養栄湯で、ここからひとつを選びます。
八味丸類は、六味丸、八味地黄丸、牛車腎気丸などで、ここからひとつ選びます。
附子剤は漢方と併用可能で単剤で付加できます。
参耆剤+八味丸類+附子剤 は胃がムカムカすることがあるので、その時は六君子湯または四君子湯を使用します。
是非、試して下さい。
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