免疫力を高める方法とは【西洋医×漢方医のコラム】

免疫力を高める方法とは【西洋医×漢方医のコラム】

免疫力UPを謳う商品や、免疫力を高めましょうというメディア発信をよく見かけます。そもそも、免疫とはなんなのか、高めることは可能なのか、よくわからないかと思います。この記事では、免疫力についてわかりやすく解説します。

免疫とは何か

まず、免疫は、ある特定の抗原(病気の原因となるタンパク質)に対して、一度暴露されると、再度暴露されても病気にならないということです。つまり、病原体から体を守る仕組みのことですね。

昔は感染症の嵐でした。乳幼児死亡率も高く、そんな感染症の嵐を上手くくぐり抜けた子供達はすくすくと成長したのです。天然痘、麻疹(はしか)、風疹(三日麻疹)、水疱瘡などもそうです。

特に天然痘は50%近い致死率を有する感染症で世界で蔓延していました。しかし、天然痘にかかって、生き延びると、顔にあばた(あばたもえくぼのあばたで、顔に残った天然痘後のブツブツや窪み)が残ったのです。そこで人の天然痘の膿を傷口から擦り込むと天然痘になり、そのまま生き延びると、その後天然痘にかからないという予防方法が存在しました。人痘といいます。しかし、死亡率が高く普及しませんでした。そこでジェンナーという医師が人痘と似ている牛痘に着目しました。牛の乳を搾っている搾乳婦は天然痘になりにくかったのです。そこで牛痘を人に接種しました。この牛痘接種は死亡率が人痘に比べると極端に低く、そして天然痘の予防効果もあったので、瞬く間に世界に広がりました。そして全世界で天然痘の撲滅キャンペーンが展開され、世界保健機関(WHO)により1980年に天然痘撲滅宣言が出されました。

body defence

免疫力を高めるにはどうしたらいいか

免疫力を上げるには、答えは簡単です。その病気にかかればいいのです。そして問題なく乗り切ることが最良のワクチンです。

通常のワクチンは弱毒化、または無毒化したものを使っているので本物に比べると効力が弱いのです。僕は風邪やインフルエンザも早期にかかって、そして漢方で退治することがもっとも有効に免疫力を高める方法と思っています。そんな発熱性疾患には漢方は早期対処が可能で、どれか自分に適するものが見つかると発熱性疾患を早期に退治できます。それこそが文字通りの免疫力を高める方法です。しかし、わが家のように誰もが適切な漢方を知ることはできず、また漢方の有効性にも限界があります。

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そこで世間的に「免疫力」と言われれば、「健康力」と言い換えると整合性が合います。特定の病気を逃れるのが免疫ですが、いろいろな病気から逃れる力を「健康力」とします。「健康力」を高めるには、ある意味当たり前のことをやります。

  • しっかりと良質の睡眠を取る
  • 規則正しい生活をする
  • 決まった時間に起きる
  • 三食バランス良く食べる
  • 有酸素運動をする
  • ストレスを減らす、またはストレスに強くなる
  • タバコは止める
  • お酒は過量に飲まない
  • 甘いものを過量に取らない

などです。目新しいものもなく、ガッカリされたでしょうか。それに加えて、是非漢方薬を飲みましょう。自分が元気がない、ちょっと疲れていると感じていれば、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)か十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)です。高齢者には人参養栄湯(にんじんようえいとう)がいいです。また、食欲がなければ六君子湯(りっくんしとう)で対応しましょう。

そんな当たり前の事+漢方薬が、世間で言う免疫力つまり「健康力」を上げる、少なくとも下げない方法と思っています。世間には「免疫力を上げる」と謳っている商品が氾濫しています。どれも否定はしません。しかし、明らかなエビデンスを持っているものはないと思っています。まず、当たり前の事を実行しましょう。

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