ニセ医学がまかり通る現代。正しい医療情報の見極め方とは

ニセ医学がまかり通る現代。正しい医療情報の見極め方とは

AERAに大塚篤司先生が投稿されていました。

「ニセ医学」を信じてしまった患者を救えない、“正論”医療の現実

「ニセ医療」が多いですね。このサイト、漢方.jpも正しい漢方薬の情報を伝えるために、企業から一切資金提供は受けずに、中立的なHPを目指して日々努力しています。

医療の正しい情報は必要です。まず、どんな情報が正しいのかを一般人は理解できません。 ①本を書いている先生だから正しいのだろう。これはNOです。多くのニセ医療の本は自費出版に近い形です。 ②テレビに出ているから正しいのだろう。これもNOです。テレビは完全に間違っていなければ、グレーであれば、そして視聴率が取れれば、そんな情報は流します。NHKも同じです。 ③そのくすりが効くと言う実験結果を示しているから。これもNOです。わかりやすい例はアルコールです。アルコールを癌細胞を培養しているシャーレに入れると癌の増殖は止まります。これを根拠にすれば、「アルコールは癌の抑制効果があるので、たくさんのアルコールを毎日飲むべきだ!」という結論に到ってしまいます。これが、間違いであることはわかりますね。だって、癌を抑制しても、アルコールで命がなくなってしまいます。 ④使った人の体験談がたくさん載っているから。これがNOであることもわかりますね。だって、それが本当かどうかは本人だけが知っているので、本当にそのくすりの御利益かどうかわかりませんね。また本人が嘘を言っているかもしれないし、もしかしたらまったく架空の人かもしれませんね。

では何が信頼に足る情報なのでしょうか。それはそのサプリや食品やくすりが本当に有効と言うことを調べる努力を販売会社や開発に関わっている会社が行っているかです。そしてその努力を英文論文にして世界に発信しているかです。1例の症例報告も英文論文になっていれば相当信頼性があります。もしも嘘を言っていれば、その英文論文の評価も下がってしまいます。そして一流英文論文は1例報告では簡単には掲載してくれません。そしてなによりそんな一流英文論文に投稿している姿勢が大切です。そして英文論文にはその重要性、他の人から引用される頻度を数値化したものがインパクトファクターとして知ることが出来ます。最近はお金稼ぎのためのインパクトファクターがない、そして査読(第三者の専門家が読んで評価する)もない怪しい論文がネットの世界で蔓延しています。ですから、インパクトファクターが付いている英文誌に載っていれば、最低限の信用はできるのです。

しかし、一例報告では専門家を納得させられません。次に行うことは集団を解析することです。サプリメントであれば、そのサプリメントを飲んだグループと飲まないグループを抽出して、そして比較します。簡単な方法は、今から過去の結果を解析することです。この場合評価者の思い込みなどが自然と入りますが、そんなバイアスが存在しうるとうことを承知して読めばいいのです。これも一流英文論文に掲載されると信頼度が上がります。

よりよい2群間の比較は、今から臨床研究を開始して、将来の違いを比べる方法です。これは相当信頼性が高くなります。しかし、あるサプリメントを比べるとして、そのサプリメントが好きな人がそのサプリメントを飲むのです。そして飲んでいない人と比較をします。すると好きな人が飲むとよさそうな結果がでるのです。ですから、サプリメントが本当に効いたのか、「私はこのサプリメントを飲んでいるから効いているはずだ」と思い込んで、効いていると判断してしまったのかが不明です。

そこでよりよい臨床研究はあるサプリメントを飲む群と飲まない群をくじ引きで決めます。その2群を比較すると相当信頼性が高い結果になります。難点は評価者がこちらは飲んでいる群、こちらは飲んでいない群と知っているので、また飲んでいる方も自分はあるサプリメントを飲んでいた、飲んでいなかったかを知っているので、そんな僅かばかりのバイアスを除去できないのです。しかし、このくじ引きで二群間を決める臨床研究はRCTと呼ばれ相当評価されます。RCTとはRandomized controlled trial の略です。Randomizedとはくじ引きでといった意味です。

そして最高峰の研究はあるサプリメントを飲む群と飲まない群をくじ引きで決めて、そして飲む群には本当のサプリメントを、飲まない群には本人も第三者も違いがわからないが、サプリメントの成分を含んでいないものを飲ませるものです。前者を実薬、後者を偽薬といいます。そしてすべてのデータを取り終わった後に、この人は実薬、この人は偽薬と公の場でオープンにして解析するのです。これではまったくバイアスが入る余地がないので、もっとも信頼性のある臨床研究になります。これをDBRCTといいます。Double blinded randomized controlled trial の略です。

サプリメントではなく、薬剤でも同じです。薬剤では、少なくとも公的医療費で補助する場合にはDBRCTでの実薬と偽薬間の統計的有意差が求められます。

ニセ医療を知るには、その医療がどの程度の臨床研究を得ているかを一般人が簡単に解るようになっていればいいのです。そんな一目で臨床研究の有無がわかるサイトの登場を待っています。また、臨床研究を現在進行中でも相当偉いのですよ。だって、自信がなければ臨床研究はやりません。ほとんどのニセ医療はなにも臨床研究は行っていません。実験室でのシャーレ内での結果や、個人の感想を羅列したものがほとんどです。

そんな視点で皆さんが飲んでいるサプリメントを比較してみて下さい。