【症例集】「まったく効きませんよ」 森全体を見よう。身体意識に敏感になろう

【症例集】「まったく効きませんよ」 森全体を見よう。身体意識に敏感になろう

症例

「先生、この前頂いた漢方薬、まったく効きませんが・・・・・」

「治してほしかった症状がまったく楽にならないのですね。」

「はい」

「では、他になにか体に変化はないですか? ちょっとしたことでもいいのですが」

「そう言われれば、肩こりが楽になって、イライラも落ち着いたような

「なるほど、体に変化が起こっているようなので、漢方は効いています。もう少し飲んでもらっていいですか。治してもらいたい症状にも変化が来るかもしれませんから」

解説

西洋医学は引き算の叡智です。サイエンティフィックでロジカルでピンポイントで格好いい治療です。ですから多くの西洋薬剤は純物ですね。一方で漢方は生薬の足し算の叡智です。サイエンティフィックには病気を見ることが出来ない時代の知恵です。ピンポイントの治療も無理です。ですから致し方なく、体全体を治すようにせざるを得なかったのですね。でもその治療方法は現代医学でピンポイント的に治せないときには威力を発揮します。さて、経過の長い訴えに対して、4週間漢方薬を処方した後の対応です。患者さんの主症状が変化がないときでも、体が動いていれば、つまりその漢方薬で体にいいことが起こっていれば続行してみるのも悪くないということです。漢方薬が無効なときは「水を飲んでいるみたいでまったく体全体が無変化だ」というような答えが返ってきます。