【漢方薬剤師が紹介】薬局で買えるノドの生薬と配合おくすり3選

【漢方薬剤師が紹介】薬局で買えるノドの生薬と配合おくすり3選

のどが痛いとき、咳がでる、痰がでるなどの時は、桔梗湯や麻杏甘石湯などおすすめできる漢方処方がありますが、病院に行く時間がなかったり、近くのドラッグストアで取り扱いがなかったりなど、すぐに手に入らないこともあります。そんな時は、おすすめの漢方処方に配合された生薬を使った、ドラッグストアで手に入りやすい生薬製剤を使うのもいいかもしれません。大気汚染が深刻な中国でも支持されています。

<のどに効く生薬>

  • 桔梗(ききょう):第十七改正日本薬局方 収載

基源:キキョウPlatycodon grandiflorus A. De Candolle(Campanulaceae キキョウ科)の根。

秋期に根を掘り取り、水洗して乾燥するもの(生干桔梗)と、コルク皮を除き乾燥するもの(晒桔梗)がある。

秋の七草のひとつです。生薬として用いられるのは根で、乾燥させて使います。ニンジンによく似ていますが、イヌリンを含む点で区別できます。イヌリンは水溶性食物繊維で、腸内の善玉菌の増殖を助け、便通をよくする作用もあります。キキョウの根はサポニンを含みます。サポニンには気道の粘膜の分泌をよくすることとあわ立ち作用があります。

漢方処方例:桔梗湯(ききょうとう)、排膿散(はいのうさん)

  • 杏仁(きょうにん):第十七改正日本薬局方 収載

基源:ホンアンズArmeniaca vulgaris Lam. (= Prunus armeniaca L. ) 又はアンズArmeniaca vulgaris Lam. var. ansu (Maxim.) T.T.Yu et L.T.Lu(= Prunus armeniaca L. var. ansu Maximowicz)(バラ科 Rosaceae)の種子

アンズは、ウメによく似ています。ウメより遅れて花をつけ、果実は黄赤色に熟します。果肉の中央部には核があり、核の表面には細かいしわのような網紋があるのが特徴です。核の中にある種子がキョウニンで、天日で乾燥させて使います。

成分としてはアミグダリンという青酸配糖体を含み、これが体内で分解されて微量の青酸を生じます。青酸は呼吸中枢、咳中枢を鎮静させるため、キョウニンは咳止め薬として喘息や咳、呼吸困難などに効きます。しかし多量に服用すると、青酸の吸収がふえて中毒症状が起こる場合があります。また、含まれる脂肪油が腸の自発運動を活発にし、便通をよくします。

漢方処方例:麻黄湯(まおうとう)、麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)、麻子仁丸(ましにんがん)、潤腸湯(じゅんちょうとう)

  • セネガ:第十七改正日本薬局方 収載

基源:セネガ Polygala senega Linne またはヒロハセネガ Polygala senega Linne var.latifolia Torrey et Gray(ヒメハギ科 Polygalaceae)の根  

セネガは北アメリカ原産で、もとは先住民族のセネカ族が、ガラガラヘビにかまれたときの応急に用います。たんを取る作用が認められ、ヨーロッパを中心に広く用いられています。主成分はトリテルペンサポニンです。キキョウと同様に、サポニンの粘膜刺激作用により気道の分泌をうながし、強い去痰効果を示します。

漢方処方例:漢方処方には使用されない。※市販の咳止め液に配合されているものがあります。

  • 甘草(かんぞう):第十七改正日本薬局方 収載

基源:マメ科(Leguminosae)の Glycyrrhiza uralensis Fisher 又は G. glabra Linne の根及びストロンで,ときには周皮を除いたもの(皮去りカンゾウ)

生薬のカンゾウは根や地上を這う茎(ストロン)を乾燥させたものです。主成分はサポニンの一種であるグリチルリチン。グリチルリチンには咳止め、抗潰瘍、抗アレルギー、抗炎症などの作用のほか、免疫力を高めたり、肝機能を高めてその解毒を助けるはたらきやがん予防効果など、多くの薬効があります。また、もう一つの主成分であるフラボノイドにも、咳止めや利尿作用があります。

甘草は生薬として使用されるだけでなく、医療用医薬品の原料としても用いられています。また、食品の甘味料としての需用も多いです。

漢方処方例:芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)、四逆散(しぎゃくさん)、桂枝甘草湯(けいしかんぞうとう)、炙甘草湯(しゃかんぞうとう)、大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)、調胃承気湯(ちょういじょうきとう)、甘草麻黄湯(かんぞうまおうとう)、桔梗甘草湯(ききょうかんぞうとう)、排膿散(はいのうさん)、人参湯(にんじんとう)、甘草瀉心湯(かんぞうしゃしんとう)、茯苓甘草湯(ぶくりょうかんぞうとう)、酸棗仁湯(さんそうにんとう)

  • 人参(にんじん):第十七改正日本薬局方 収載

基源:オタネニンジン Panax ginseng C.A.Meyer (ウコギ科 Araliaceae)の根。

生薬でニンジンといえばいわゆる朝鮮人参で、ウコギ科のオタネニンジンの根のことです。日本では、長野県、福島県、島根県などで栽培されていますが、市場に出回っているものの大部分は輸入品です。根を水洗いして天日乾燥したもを「白参」といい、水洗いのあと湯通ししてから乾燥させたものを「紅参」といいます。紅参のほうが穏やかに効くのが特徴です。強壮作用が有名で、漢方では古来万能薬として利用されてきました。現代では実験や臨床により、新陳代謝の促進や精神安定、中枢の興奮作用、免疫を高める作用など多くのエビデンスが知られています。

主要成分であるニンジンサポニンをはじめ多くの成分が含まれていて、抗炎症作用、抗菌作用、抗胃潰瘍作用、疲労防止や疲労回復、抗ストレス作用、老化防止作用など多くの作用が認められています。

漢方処方例:四君子湯(しくんしとう)、六君子湯(りっくんしとう)、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)人参養栄湯(にんじんようえいとう〕など)、白虎加人参湯(びゃっこかんんじんとう)、麦門冬湯(ばくもんどうとう)

  • 阿仙薬(あせんやく):第十七改正日本薬局方 収載

基源:アカネ科(Rubiaeae)のガンビールノキUncaria gambier Roxb. (U. gambir Roxb.) の葉及び若枝を水で煮て得た抽出液を乾燥させたもの.

水製エキスは口腔清涼剤としても用いられているほか、小腸の蠕動運動を抑制し盲腸の逆蠕動運動を促進するため、昔から下痢止めや整腸薬として使用されています。主成分はフラボノイドとアルカロイド。フラボノイドには抗血栓作用があり、アルカロイドにはがん細胞の増殖を抑制するはたらきがあります

漢方処方例:響声破笛丸(きょうせいはてきがん)* *一般用医薬品のみ

  • 麻黄(まおう):第十七改正日本薬局方 収載

基原:Ephedra sinica Stapf, Ephedra intermedia Schrenk et C.A.Meyer 又は Ephedra equisetina Bunge (Ephedraceae マオウ科)の地上茎

日本でも栽培され、茎を日陰で乾燥させたものを生薬として用います。咳止め、抗アレルギー、抗炎症、発汗、解熱、鎮痛などの作用があり、漢方ではかぜの初期によく使われる葛根湯にも配合されています。

主成分はアルカロイドの一種のエフェドリンです。麻黄から抽出したエフェドリンはエフェドリン塩酸塩として西洋医学の治療にも用いられています。気管支筋を弛緩させる作用があり喘息や百日咳にも効果があります。アドレナリンに似た交感神経興奮作用によって、発汗や血圧上昇などを促すため解熱効果、抗炎症作用も認められています。

漢方処方例:麻黄湯(まおうとう)、葛根湯(かっこんとう)、麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)、越婢湯(えっぴとう)、大青竜湯(だいせいりゅうとう)薏苡仁湯(よくいにんとう)、麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)、麻黄附子甘草湯 (まおうぶしかんぞうとう)

<生薬製剤の紹介>

  • 龍角散ダイレクト

配合生薬:桔梗、セネガ、杏仁、甘草

龍角散は、鎮咳去痰作用を活発にする生薬(キキョウ・セネガ・キョウニン・カンゾウ)のみを成分としたのど薬です。水なしで服用できます。シュガーレスで眠くなる成分は入っていません。微粉末のキキョウ、セネガの有効成分サポニン配糖体が、のどの粘膜に直接作用します。衰えたのどの繊毛運動を活発にして、痰の排出を容易にし、咳を鎮めます。

「龍角散」は、約200年前の江戸時代末期、現在の秋田県一帯を支配する東北有数の大名・秋田(佐竹)藩にて誕生しました。当主・藤井の先祖で、当時御典医を務めていた藤井正亭治(しょうていじ)が喘息に苦しむ藩主のため、藩に伝わる咳止め薬をもとに漢方・蘭方の長所を取り入れ、新しい薬を完成させました。これが後の「龍角散」となりました。当時配合されていた龍骨、龍脳、鹿角霜といった生薬の名を結びつけて、龍角散と命名したそうです。

  • 龍角散ダイレクト ミント・ピーチ

配合生薬:桔梗、セネガ、甘草、杏仁、ニンジン、アセンヤク

声を使いすぎた時、咳が出る時、就寝時ののどの乾燥など、のどに違和感がある時は、いつでもどこでも水なしで服用できます。1回分の個包装で携帯にも便利です。シュガーレスで、眠くなる成分は入っていませんので外出先でも安心して服用できます。

龍角散ダイレクトは、生薬成分がのどの粘膜に直接作用し、のどの繊毛運動を活発にすます。水で服用してしまうと、のどの粘膜で作用する成分が流されてしまうので、水なしで服用することがポイントです。また、服用後、20~30分は飲食を控えたほうが効果的です。

  • 龍角散ダイレクト トローチマンゴーR

配合生薬:桔梗、セネガ、甘草、杏仁

のどの痛みが気になるときには、効果が長く続くトローチタイプも有効です。マンゴーの香りとメントールの清涼感が口の中に広がるマイクロビーズ入りのトローチです。長くじっくりと口に含んで、かまずにゆっくりと溶かすように服用してください。効果が持続します。

参考資料)

龍角散HP  https://www.ryukakusan.co.jp/

公益社団法人東京生薬協会 新常用和漢薬集 http://www.tokyo-shoyaku.jp/f_wakan/

株式会社ウチダ和漢薬 生薬の玉手箱 https://www.uchidawakanyaku.co.jp/tamatebako/shoyaku_s.html?page=012

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